あらすじ
ある有名指揮者の死をきっかけに、歯車が狂い始める。
天涯孤独となった孫娘・芹沢華音は、残された交響楽団の運命を、『芹沢』の名をもって背負っていくことになる。
そして、幼いころから兄のように慕っていた一番弟子の青年と、突然ウィーンからやってきた横柄で不遜な二番弟子。
彼らが憎しみあう本当の理由――それは、指揮者が十五年もの間、ずっと隠し続けてきた『芹沢家の秘密』にあった。
兄同然の他人と、他人同然の兄。
二人の男のねじれが生み出した愛と憎悪に、少女はどこまでも翻弄されていく。
オーケストラを舞台に、指揮者の孫娘と二人の弟子が繰り広げる、恋愛サスペンスドラマ。
番外編
登場人物たちのサイドストーリーです。
時間の流れに沿って並べられています。
優しき旋律
| 高野和久 大学生編 | 中編 | 65枚 |
天才ピアニストの「奴」が、凡才ピアニストの「俺」をライバル視する。
……何なんだ、いったい。
トウモロコシ畑
| 鷹山楽人 少年時代編 | 短編 | 45枚 |
両親を事故で失い、たった一人の妹とも離れ離れに――。
若き養父との絆と、捨て切れぬ『芹沢』の名への想いに惑う、少年の物語。
恋歌
| 高野和久 婚約時代編 | 掌編 | 8枚 |
ピアノを愛する若き二人の、こんな恋愛風景。
孤高の旋律
| 稲葉努 留学時代編 | 短編 | 37枚 |
かたくなにショパンを弾こうとしない孤高の天才ピアニストと、彼のピアノが大好きな少女との、切なく優しい恋物語。
遥かな約束
| 鷹山楽人 ウィーン生活編 | 短編 | 50枚 |
西洋人形のようにキレイな顔した男・鷹山は、抱く女の温もりを母親に重ね合わせ、心の隙間を満たす日々。
ある日、鷹山は祖父の訃報を聞き、遠い昔に母と交わした約束を思い出す――。
名曲喫茶ヴァルハラより
| 美濃部達朗 リーダー修業編 | 掌編 | 11枚 |
新米コンサートマスターの、とある一日のほのぼの風景。
exhibition
| 赤城麗児 思い出編 | 短編 | 40枚 |
交響楽団を買収しようと思ったきっかけは、高校時代のこんな思い出――。
赤城と高野の奇妙な友情と、音楽で人々の思いが通じ合う、特別な一日。